「優秀なPMとは、どんな人ですか?」
この問いに対して、多くの組織ではこう答えます。
- コミュニケーション能力が高い
- 調整力がある
- 技術にも詳しい
- 責任感が強い
どれも間違いではありません。
しかし、現場を見続けてきた立場から言うと、
良いPMと悪いPMを分ける“決定的な違い”はそこではありません。
違いはもっと構造的です。
結論:違いは「問題の扱い方」にある
良いPMは、問題を構造で扱います。
悪いPMは、問題を感覚で扱います。
この差は、時間が経つほど大きくなります。
悪いPMの特徴:対症療法型
悪いPMは、目の前の問題に素早く反応します。
- 仕様変更が出た → すぐスケジュール調整
- メンバーが不満を言う → とりあえず会議設定
- 品質問題が出た → テスト工程を延長
一見、行動力があるように見えます。
しかし実態は、
問題の“結果”に対処しているだけ
なのです。
よくあるパターン
- スケジュールが後ろ倒しになる
- 会議が増え続ける
- 属人化が進む
- 最終的にPMが疲弊する
これは「対応している」だけで、「設計していない」状態です。
良いPMの特徴:構造設計型
良いPMは、問題が起きる前に問いを立てます。
- このスケジュールの前提は何か?
- 責任の所在は明確か?
- 技術リスクは検証されているか?
- 意思決定のルールは定義されているか?
つまり、
問題が発生する“構造”を見ている
のです。
だから、トラブルが起きてもパニックになりません。
すでに「どこが崩れると危険か」を把握しているからです。
具体的な違いを比較する
| 観点 | 悪いPM | 良いPM |
|---|---|---|
| スケジュール | 期限を守ることに集中 | 期限の成立条件を明確にする |
| 会議 | 問題が出たら増やす | 意思決定の場として設計する |
| 技術 | 詳しい人に任せる | 不確実性を可視化する |
| 責任 | みんなで合意 | 最終責任者を明確にする |
| トラブル対応 | 火消し | 再発防止の構造化 |
ここで重要なのは、
良いPMは必ずしも技術に詳しいわけではないという点です。
違いは知識量ではなく、
不確実性を放置しない姿勢
にあります。
なぜ悪いPMになってしまうのか?
多くの場合、能力不足ではありません。
原因は以下の3つです。
- 「調整役」という誤解
- 上位者への過度な忖度
- 技術への心理的ハードル
特に日本の組織では、
PM = 板挟みポジション
になりがちです。
その結果、
- 強く言えない
- 問いを立てられない
- 曖昧さを受け入れてしまう
これが積み重なると、「なんとなく回っている」状態になります。
そして、ある日突然炎上します。
本当のPMの役割
PMの役割は、調整ではありません。
“判断の構造を設計すること” です。
- 何を決めるのか
- 誰が決めるのか
- どの情報で決めるのか
- どの前提が崩れたら見直すのか
これを明文化すること。
これができれば、プロジェクトは安定します。
自己診断チェック
次の質問に即答できますか?
- 今のプロジェクトの最大リスクは何か?
- そのリスクは検証済みか?
- 直近の重要な意思決定の責任者は誰か?
- スケジュールが破綻する条件は何か?
答えに詰まるなら、
それはあなたの能力ではなく、構造の問題です。
最後に
良いPMと悪いPMの違いは、性格でも経験年数でもありません。
違いは、
問題を「出来事」として扱うか
問題を「構造」として扱うか
です。
もし今、
- 判断に自信が持てない
- 常に火消しに追われている
- 技術がわからないことに不安がある
そう感じているなら、一度立ち止まって
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