技術がわからないPMが、判断できなくなる本当の理由

こんな場面に心当たりはありませんか?

エンジニアに仕様を相談したとき、
「それは難しいですね」と言われて会話が止まる。

見積もりが出てきても、妥当かどうか判断できない。

優先順位を決めきれず、結局「全部やる」ことになる。

気づけばスケジュールは遅れ、
チームの発言も少しずつ減っていく。

そして最後は、
「もっと早く言ってほしかったですね」と言われる。

PMとして現場に立っていると、こうした瞬間に何度も出会います。

真面目に取り組んでいるのに、なぜかうまくいかない。
頑張っているのに、手応えがない。

そんな感覚を持ったことはないでしょうか。


これは「能力不足」ではない

まず最初に伝えたいのは、
これはPM個人の能力や努力不足の問題ではない、ということです。

多くのPMは十分に優秀で、責任感も強く、
誰よりもプロジェクトの成功を願っています。

それでもうまくいかない。

なぜか。

原因は、もっと構造的なところにあります。


判断できなくなる本当の理由

結論から言うと、

「技術的な前提が見えていないこと」

これが一番の原因だと、私は考えています。

PMの仕事は、突き詰めると「判断の連続」です。

  • この要件は本当に必要か
  • 優先順位はどちらが先か
  • この見積は妥当か
  • スケジュールは現実的か
  • リスクは許容できるか

毎日、無数の意思決定をしています。

そして、
判断には必ず「前提条件」が必要です。

難易度、依存関係、影響範囲、実装コスト、技術的制約。

これらが見えて初めて、比較や評価ができます。

しかし技術的な構造が理解できていないと、この「前提」が見えません。

するとどうなるか。

判断ができない。

だから最終的に、

  • エンジニア任せにする
  • 顧客の要望をそのまま受け入れる
  • なんとなくの感覚で決める

こうなってしまいます。

これは怠慢ではなく、
材料がない中で判断しようとしている状態なのです。


そしてプロジェクトは静かに崩れていく

この状態が続くと、プロジェクトは徐々に悪循環に入ります。

技術がわからない
↓
判断できない
↓
全部受ける/全部やる
↓
優先順位が崩れる
↓
スケジュールが遅れる
↓
チームが疲弊する
↓
意見が出なくなる
↓
PMがさらに孤立する

派手な炎上ではなく、
「気づいたら崩れている」パターンです。

私はこのケースを、何度も現場で見てきました。


必要なのは「深い技術力」ではない

ここで誤解してほしくないのは、
「PMもエンジニアになれ」と言いたいわけではありません。

高度な実装力は必要ありません。

でも、

  • 何が難しくて
  • どこにリスクがあり
  • どれくらいの工数感なのか

これらを会話できるレベルの理解は、絶対に必要です。

なぜならそれが、
判断するための材料になるからです。

材料さえあれば、PMは本来とても強い。

優先順位も決められるし、
顧客とも対等に話せるし、
エンジニアからも信頼されます。


PMの価値は「管理」ではなく「判断」

PMはタスク管理者でも、単なる調整役でもありません。

チームの進む方向を決める「意思決定者」です。

そして意思決定には、技術理解が不可欠です。

ここが抜け落ちたままでは、
どれだけフレームワークや手法を学んでも、本質的には強くなれない。

これが、現場に立ち続けてきた中での実感です。


最後に

こうした
「技術を前提に判断できるPMになるための視点や思考法」は、
現在、実プロジェクトを題材にしたコーチングとして体系化しています。

もし関心があれば、こちらにまとめています。

👉 https://company.p1st.app/pm-coaching/

PMとしてもう一段レベルアップしたい方の力になれれば嬉しいです。